替えがきかない
リアル飲み会ならではの良さとは
オンライン飲み会が持ち得ない、実際に店などで集まって飲む「リアル飲み会」ならではの良さも指摘された。
「誰かと個別に突っ込んで話すことができないのがオンライン飲みの残念なところ。個別に部屋を立てればいいけどそこまでするのも…という感じがする。みんなでワイワイやるのも楽しいからいいけど」(30歳女性)
リアル飲み会なら、参加人数が6人でも、会話のグループ数は「3対3で2つ」や「2対2対2で3つ」など自由自在だが、オンラインは原則的にグループが「1つ」となるので、この点はフレキシビリティーに欠ける。
「2次会、3次会と場所を変えて気分転換しながら、話が深くなっていったりベロベロになったりするのが好きなので、自分はリアル飲みが好きかな」(39歳男性)
こうした声も聞かれ、リアルでもオンラインでもそれぞれの良さがあるようだ。
重要だと思うのは、リアル飲み会と比較すべき存在としてオンライン飲み会が出現した点である。それまでのリアル飲み会はいちいち“リアル”という枕ことばなどつけることなく、もう“飲み会”といえば“リアル飲み会”のことを指していたくらい、独自かつ唯一のものであった。
しかしオンライン飲み会が普及し、双方の長所短所がよく認識できるようになった。認識できた短所は努力と工夫によってある程度改善できるし、長所も伸ばすことができる。
飲み会は前提として「参加者一同、機会をありがたがる場」といってよく、その土台となっている飲みの場のありがたさも必然的に増す。つまり、オンライン飲み会の登場によって“飲み会”のありがたさが増し、“飲み会”がもたらすハッピーが高進したのではあるまいか。自粛が明けて久しぶりにリアル飲み会に興じる人たちの多くはこんなことを口にしたはずである。「やっぱり、こうして飲むのっていいね」と。
スマホ登場以来、アプリの世界も日進月歩なので、今後オンライン飲みも新たに進化していくことであろう。この新しいカルチャーの成長と次なる地平を下戸の筆者がしらふのまましっかり見守っていきたいと思うので、皆々様におかれましてはおおいに酔われていただきたい。