英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。

日本で英語を話せるようになる人の1つの共通点Photo: Adobe Stock

英語学習の秘訣は「コツコツ」+「ワクワク、ドキドキ!」

 英語を学ぶ人の多くは、日々コツコツと努力を続ける力を持っています。

 しかし、それだけでは次第に飽きてしまい、途中でやめてしまう人が少なくありません。

 大切なのは、地道な積み重ねに加えて「ワクワク、ドキドキする体験」を取り入れることです。

 コツコツと継続した上で、新しい発見や楽しい工夫があるからこそ、学習は長続きし、成果も実感できるのです。

 ここからは、「コツコツ」と「ワクワク」を両立させ、やる気を持続させるための学習法を紹介します。

コツコツ学習法①:定型フレーズを丸ごと覚える

 単語の意味を一つずつ訳すよりも、会話でそのまま使える「短い定型表現」を頭に入れることが効果的です。

 たとえば「That sounds good.(いいね)」「Could you say that again?(もう一度言ってもらえますか)」のような表現です。

 単語に頼らずに場面に応じたフレーズを覚えることで、理解から発話までの時間が短縮されます。

 大切なのは声に出して何度も繰り返すことです。口と耳を使うことで体に染み込み、瞬間的に出てくるようになります。

 さらに、覚えた表現を日常の独り言で使うのも効果的です。

 例えば、掃除をしながら「I’m cleaning the floor.」と言ってみると、自然に英語が身近になります。

コツコツ学習法②:復習のタイミングをずらす

 英語の学習では「覚えたのに忘れる」ことがよくあります。

 その弱点を補うのが「間隔を空けた復習」です。学んだフレーズを次の日、数日後、1週間後というように復習することで、記憶が長期的に定着します。

 忘れかけたタイミングで思い出すのがポイントで、短時間でも大きな効果があります。

 1日5分程度で構いません。スマホのアラーム機能や暗記アプリを使えば自然に繰り返せます。

 重要なのは「長時間やること」ではなく「記憶が消える前に復習すること」。そうすることで、学んだ表現を会話の中ですぐに取り出せるようになります。

コツコツ学習法③:小さな成功体験を積む

 大きな目標だけを追いかけると、途中でやる気を失いやすいものです。

 そこで「今日覚えるのは2フレーズだけ」「音読は3分だけ」「短い日記を1文だけ書く」といった小さなゴールを設定すると効果的です。

 小さな目標はすぐに達成できるため、自分をほめながら進められます。

 これが習慣化につながり、気づいたときには大きな力となっています。

 毎日の「小さな積み重ね」が、長期的に大きな成果を生むのです。

ワクワク学習法:学習に変化を加える

 同じ教材や学習法ばかりでは集中力が続かず、飽きてしまいます。

 そのため、日ごとに学習方法を変えると脳が刺激を受け続けます。

 例えば「今日は英語の動画を聞き取り」「明日はSNSで短いやりとり」「翌日は英語で一文だけ日記を書く」といった具合に切り替えるのです。

 また、自分の声を録音して発音をチェックしたり、AIアプリを使って発話練習をしたりするのも有効です。

 YouTubeの短い解説動画を真似して音読する、オンラインゲームで海外の人と簡単にやりとりするなどもおすすめです。

 学習を「作業」ではなく「遊び」や「挑戦」として捉えると、続けやすくなります。