ウォーレン・バフェットコロナ禍の今、株を買ってはいけないのか。「投資の神様」バフェット氏の頭の中は? Photo:Mint/gettyimages

 世界一の株式投資家であるウォーレン・バフェット氏は、自身が会長を務めるバークシャー・ハサウェイの株主総会を5月2日(米国時間)に開催した。4時間半の間に彼が語ったことの一部が、すでに新聞やネットなどのメディアで報じられている。

「バフェット 株主総会」などのキーワードでネットを検索してみてほしい。検索結果は、「航空株を売却」「世界は変わった」「米国に賭けろ」の3パターンくらいに絞られると思う。

 私が本稿でこれから語りたいのは、すでにメディアに出回っているような話ではなく、日本のメディアではほとんど報じられていない部分だ。株主総会での約4時間半に及ぶバフェット氏の話を全て文字に起こし、正確に翻訳をして分析をした結果、バフェット氏の最新の頭の中が透けて見えてきた。

 私は普段は個人投資家でもあり、日本一の講座数と認定されているオンライン型の投資の学校である「Global Financial School」の校長でもある。今は無料で「投資の達人になる投資講座」を開講し、たくさんの人に投資を教えている立場だ。本稿は、その講義の1つのつもりで書いた。

 投資はとにかく勉強が大事だ。今回の株主総会1つとっても、しっかり勉強することで色々な気づきがあるはずだ。皆様の投資や仕事のお役に立てると嬉しい。私たちの学校の講師をしてくれている世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏も、「みんな、宿題をしろよ!」と生徒に語ってくれている。

「コロナには負けない」
株主総会の冒頭で米国の歴史を振り返る

 バフェット氏は「1918年にスペインかぜが流行し、私の父親と4人の兄弟、その両親が感染しました」とし、コロナに関する見解を語りはじめた。バフェット氏によれば、当時はオマハ(バフェット氏の実家のある場所)では人口の0.5%が死亡し、アメリカ全土でも約0.5%の死亡率だったと分析しており、現在の人口に換算すれば、170万人が死亡することになる。しかし、「コロナはそこまではひどくない」と彼は語った。ここまではメディアでも報じられていることだろう。