しかし、私が注目したのはこのあとだ。「一方で経済面のふれ幅は極めて広い。社会のかなりの部分を自発的に封鎖した場合に何が生じるか、正確にはわかっていません」と語ったのだ。

 つまり、ウイルスに関してはそれほど警戒をしていないし、歴史的にもそれほどひどいものでもないが、経済を自発的に封鎖する場合の影響が予測できないというのだ。この時点でバフェット氏が今、株をどうしても大きくは買えない理由が透けてみえる。

 彼の投資のルールは有名で、それは「ルール1:損をしない」「ルール2:ルール1を忘れない」というものだ。とにかく得をすることよりも、損をしないことを彼はルールとしている。

大幅下落のタイミングで航空株を
売却したバフェット氏の「投資眼」

 確かに、コロナで株がバーゲンセールとなり、個人投資家などはチャンスとばかりに株を買っている。3月中旬の世界的な株価の大幅下落後に相場は急反発し、先日の一時的な調整を挟みながらも、株価は上昇を続けているため、底値で買った多くの投資家は利益を上げている。一方でバフェット氏は、大幅下落前にデルタ航空をはじめ多くの航空株を買い、大幅下落したタイミングで売却をしているため、損失を出した。なぜ一般投資家とは逆の行動を取るのか。

 さらに最近では、銀行の株も一部売却をしている。反発上昇を狙うならば下がったところで買うべきだが、彼の言葉はこうだ。

「これは相当な実験であり、いずれ大部分の問題に関して解決策が見つかるかもしれませんが、多年にわたり、いくつかの非常に重要な問題に関して解決策が見つからないかもしれません」