ガソリンエンジンからモーターへ
コンバージョン・ビジネスの難しさ

 今回取材したデロリアンのような、ガソリン車からEVへのコンバージョン・ビジネスが日米欧に存在する。

 だが、その多くが小規模であり、事業として成り立っていないケースが目立つ。事業計画を派手な花火で打ち上げた後、市場からフェードアウトしたり、技術的な落ち度から多数の訴訟を抱えてしまうケースもある。

 EVコンバージョン・ビジネスの狙いは元来、小型商業車だ。初期投資とランニングコストのバランスが、ガソリン車やディーゼル車より優れていることがセールスポイントになる。航続距離の縛りがあるEVだが、商用車ならば毎日の運行計画が立てやすく、EVのデメリットが出にくい。

 だが最近は、日産の「e-NV200」の実証試験が日米欧各地で始まり、日本国内では三菱「ミニキャブ・ミーブ」が登場。こうした「出来合いEV」に対して、「コンバートEV」は技術面と顧客にとっての安心感の面で、太刀打ちするのは難しい。

 また本連載でも度々触れているが、自動車用リチウムイオン二次電池の素材メーカーでは、当初の生産計画見直しの動きがあり、EVコンバート事業者にとって最もコストがかかる同電池の量産効果による価格低下は、当面期待できない。

 さらにアメリカでは、シェールガス採掘技術の革新が進んだ影響で、天然ガス小売価格が下落。そのため、中型商用車でディーゼルエンジンからCNG車(圧縮天然ガス車)へのコンバージョンが徐々にだが増えている。これは、コンバージョンというパイの小さい市場では、EVコンバージョンにとって明らかに逆風だ。