この2つの勢力の昨年7月の参院選比例区における得票数を単純に足すと6.5%となり、全国民の中でまずまずの支持を得たことがわかります。さらに私が驚いたのは、2019年10月に行われた埼玉県の参議院議員補欠選挙です。前埼玉県知事の新人候補・上田清司氏が圧勝すると思われたこの補欠選挙に、対立候補として出馬した立花孝志候補は、想定通りの落選となった一方で、なんと13.6%の得票率を実現したのです。

 そして、この流れを汲んで行われるのが2020年7月の東京都知事選ということです。埼玉県の補欠選挙は、投票率が低かったことで第三極の獲得票が多かったと分析すれば、投票率の高い都知事選で第三極にどれくらいのレベルの票が投じられるかを見ることで、昨年以来の第三極の台頭が本物かどうかが判明するという理屈です。

 与党、現職ないしは大物候補に批判的意見を持つ有権者の票が、既存野党ではなく第三極に流れるのが新しい政治の潮流だと仮定すれば、今年7月の都知事選挙においては、その第三極への支持が全得票の何%に及ぶところまできているのかが、最大の注目点なのです。

「第三極」が台頭すれば
野党よりも怖いポピュリズム勢力に

 私なりの尺度を申し上げると、結果的にこの2人の得票率の合計が10%を超えたら、第三極へ投票する流れは本格化してきたと言えるでしょう。昨年の補欠選挙とは違い、投票率の高い選挙で1割を超える有権者が第三極に投票するならば、国民が新しい流れを望んでいることがはっきりする。言い換えると、今後の国政選挙で第三極は野党よりも怖い与党の対立候補となる可能性が出てきます。

 安倍政権の支持率が下がる中、次の総選挙では自民党への批判が高まる一方で、それ以上に弱体化している野党のお陰で議席を多少減らしたとしても、自民党の与党の座はゆるぎないと予想されます。しかし、自民党にとって本当に怖いのは、自民党の議席数ではなく、対立候補である野党の顔触れががらりと代わることです。

 そして問題となるのは、遅くとも2025年までに実施されるその次の総選挙です。そこで仮に自民党と公明党の議席が過半数を割った場合には、不安定な連立野党政権が誕生する悪夢が起こり得る。私は新刊の中で、そのような流れができる可能性が高いと予言していますが、実際はどうなるのか。

 有権者の心の中でふつふつと煮えたぎる思いの熱量が、7月5日夜には判明するのです。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)