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長年証券会社に勤務し、堅実な資産形成をしていた父の予算通帳から5000万円が消えていた――。実例を基に、誰の身にも起こり得る「老後の落とし穴」について詳しく解説するととともに、大村隆平弁護士に話を聞いた。(ライター 岩田いく実、監修/大村隆平弁護士)
亡くなった父の予算通帳から
5000万円が消えていた…
「父の残した財産が、まさか半分も消えているなんて……」
そう語るのは、神奈川県相模原市に住む美和子さん(仮名・58歳)です。美和子さんの父である義伸さん(仮名)は長年証券会社に勤務し、堅実な資産形成をしていました。
義伸さんは証券会社を退職後は妻の邦子さん(美和子さんの母)と暮らしていましたが、義伸さんが68歳の時に邦子さんが他界。
邦子さんの遺産は預貯金が1000万円ほどありましたが、義伸さんが譲ってくれたこともあり美和子さんが相続しました。
その後、義伸さんは82歳で亡くなるまで、義伸さん本人名義の都内某所にあるマンションで一人暮らしをしていました。義伸さんは足腰が強く、元気な様子でしたが70代に入ってすぐに胃がんが判明。
手術や通院を余儀なくされましたが、美和子さんも家庭があるため相模原市から都内へ定期的に通う生活に。不安もあり、美和子さんも承知の上で生活のサポートを家政婦に依頼していました。
義伸さんが亡くなった後、美和子さんが直面したのは約1億円の金融資産があった義伸さん名義の預金通帳の残高が、わずか数年で5000万円も減っているという衝撃的な事実でした。







