この数値を基に、年間の収支を確認していきます。手取額950万円から総支出額804万円を差し引くと146万円の黒字となります。この金額が貯蓄に回っている計算です。しかし、Dさんの年間貯蓄は財形のみ。財形の貯蓄額は、月4万円×12カ月=48万円と、ボーナス時(年2回)40万円×2回=80万円で、合計すると128万円です。試算上の黒字(146万円)と、財形の年間貯蓄(128万円)には18万円の差額が生じます。この18万円が、年間の使途不明金。ひと月に直せば18÷12=1万5000円なので誤差の範囲と考えられるかもしれません。しかし、収入が多い人ほど使途不明金の額は多くなりがちです。

Dさん一家の危険なドンブリ家計
改善が急務

 Dさんの場合、今後の支出は子細に把握していく必要があります。なぜなら、高収入故のドンブリ家計に陥っているからです。「特段ぜいたくをしているつもりはない」とのことですが、月々の支出が多くボーナスで補填しても足りず、貯蓄から毎年50万円以上取り崩しているとのこと。先ほど、財形の年間貯蓄は128万円と試算したことから、実質貯蓄は128万円−50万円=78万円となります。年間収入950万円の1割にも満たないのです。現実的な目標として、月間支出額を10万円削減したいとのことですが、セミリタイア後の大幅な収入減を考えれば、10万円では厳しいかもしれません。

Dさんが54歳でセミリタイアした場合、
退職時点の貯蓄はいくら?

 次に、Dさん退職時の貯蓄を試算してみましょう。

 セミリタイアは2〜3年後を想定しているとのことなので、3年後に54歳でセミリタイアする場合で試算します。退職までの3年間、年間128万円の財形貯蓄を続けられた場合、貯蓄は128万円×3年=384万円増える計算になります。しかし、少し頑張って3年間の目標貯蓄額は400万円としてください。

 現在保有する金融資産は、財形貯蓄3600万円、確定拠出年金800万円、証券口座600万円の合計5000万円です。退職金は、記載されている1700万円で試算します。確定拠出年金は年間14万円拠出しているとのことなので、3年分の42万円を現在の貯蓄額に足し合わせます。これら全てを合計すると、5000万円+1700万円+42万円=6742万円。3年後にはこれだけの金融資産を保有する計算です。

 この金融資産額に先ほど試算した3年間の目標貯蓄額400万円を加えます。6742万円+400万円=7142万円が、Dさんが54歳で退職した場合の総貯蓄額となります。