消滅可能性都市化の対応など
構造的な課題にも取り組むべき

 もし、消滅可能性都市と倒産企業比率に関連性がある場合、上記のリスト以外の都道府県で件数ではなく、比率ベースでリスクが高いと推測されるのは、岩手、山形、新潟、群馬、奈良、和歌山、愛媛、長崎、鹿児島といった県になる。

 もちろん、これらの推察は非常にハイレベルのもので、地域別や業種別の分析も必要だろう。倒産件数と比率の高い地域は、新型コロナによって直接的なダメージを受けやすい飲食やホテル・旅館業の構成比率が高いとか、事業の海外依存率が高く取引が困難なので経営が難しくなったとか、さらなる深掘りが必要なことはたくさんある。

 また、消滅可能性都市の指標は、将来に向けての指標なので、2020年の現時点で起きていることに当てはめるのは適切でない部分もあるかもしれない。

 しかし、消滅可能性都市の問題は2014年ごろから官民で真剣に議論されてきた日本の構造的な課題であり、元々この先5~10年で急速に悪化する可能性があるものだった。

 この問題の進行が新型コロナの出現によって一層早まってしまう可能性は十分にある。倒産によって地方の職場がなくなり都市部への人口集中が加速すると地方消滅が加速してしまうという悪循環になるからだ。

 一方では、在宅勤務の機会が広がることにより地方で仕事をする可能性も広がるなど、流れを食い止める動きもある。

 国内の感染ピークが過ぎても予断が許されない状況の今、政府も地方自治体も短期的な打ち手である給付金や2次感染に向けた備えに加えて、消滅可能性都市化の対応など3年ないし5年後ぐらいを見据えた構造的な課題にも取り組んでもらいたいものである。

【注記】
当該記事で使用した経産省の情報は企業規模から選択をしたもので、都道府県別の新型コロナ関連倒産の企業比率は日本の全企業数を母集団としたものではありません。(2020年7月28日11時30分 ダイヤモンド編集部)