世界の自動車市場は3方向に分かれつつある。このため、過去何年かで最も深刻な危機に直面している大手自動車メーカーにとって、回復に向けた取り組みも複雑化している。ここ数週間に公表された各メーカーと業界団体のデータによれば、ロックダウン(都市封鎖)解除後の中国での自動車販売は回復の兆しを見せているが、米国での販売は減少し続けている。これらデータはまた、世界の中で欧州市場が最も不振に陥っていることを示している。この不均衡な回復状況は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以前から需要低迷、技術コストの急上昇に苦しんでいた自動車業界にとって、新たな負担を強いている。ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の株価は2020年に入ってからそれぞれ30%前後下落しており、3社合計の株式時価総額は、テスラの3分の1に過ぎない状態だ。
新型コロナが塗り替える世界の自動車業界地図
欧米勢の不振の中、中国はスランプ脱する
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