テキサス州ミッドランドPhoto:Bloomberg/gettyimages

 ミシガン大学の最高財務責任者(CFO)が12月、理事会に新たな5000万ドル(約53億6300万円)の石油・ガス投資の承認を要請した時、それまで聞いたことがない答えが返ってきた。「ノー」である。

 理事会はこのニュースを、学生のアクティビスト(活動家)でいっぱいの会合で知らせた。彼らは化石燃料企業への投資をやめるよう何カ月も大学に迫っていた。数週間後、大学はそうした企業への直接投資を全て凍結すると述べた。

 計6000億ドル以上の投資資金を管理している米国の大学基金の間で、化石燃料投資をやめる動きが勢いを得つつある。

 5月にはコーネル大学が石油・ガスへの新たな直接投資をやめると宣言した。ジョージ・ワシントン大学は6月下旬、同業界への投資を引き揚げると決めた。ジョージタウン大学が2月に講じたのと同じ措置だ。ハーバード大学の卒業生は今月、基金を監督する企業のメンバーシップについて投票する理事会の理事について、ダイベストメント(投資撤退)派の候補らを指名するかどうかを投票で決める。同大の基金は約400億ドルで全米最大だ。

 環境保護局(EPA)のプログラムアナリストでハーバード卒業生のジェイソン・トウェー氏は候補の1人。「正直言って、ここまで来るとは思っていなかった」と述べた。