クリストファーコロンブス像
「なぜこの人が?」と首をかしげる歴史的人物の像も撤去された Photo:Star Tribune via Getty Images

米国デモのもう1つの火種
次々と撤去される歴史的人物の像

 白人警官に首を圧迫されて死亡した黒人男性、ジョージ・フロイドさんの事件をきっかけに、「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命は大切)のスローガンのもとに全米に拡大した抗議運動は、米国社会にかつてない大きな変化をもたらしている。

 長い間放置されてきた警察官による黒人への差別暴力行為を防止するための「警察改革」に向けた動きが、連邦議会や自治体レベルで素早く進んでいることもそうだが、筆者が特に注目するのは、白人優位思想に基づく歴史の見直しを求める声が高まってきたことだ。

 たとえば、400年以上にわたる黒人への差別と抑圧の象徴ともいえる、奴隷制を存続させようとした南部連合軍(以下、南軍)に関係する像や記念碑を撤去したり、南軍の将軍にちなんだ名を持つ米軍基地の名称を変更したりする動きなどである。

 フロイドさんの死亡事件の後、南北戦争(1861年~1865年)で奴隷制存続を支持した南軍に関係する像や記念碑が、次々と抗議デモの標的にされるようになった。

 6月19日の夜、首都ワシントンで南軍のアルバート・パイク将軍の像が引き倒され、また、ノースカロライナ州ライリーでは、他の南軍指導者の像が倒された。さらに数日後、バージニア州リッチモンドにある南軍のロバート・E・リー将軍の巨大な像の周りで、大規模なデモが行われた。