欧州連合(EU)の7500億ユーロ(約92兆4000億円)に上る復興計画を実現した立役者は、予想外の人物だった。ドイツのアンゲラ・メルケル首相だ。同首相はこのような「施し」に長年反対してきたにもかかわらず、今回の合意の推進役となった。EU各国首脳は21日、メルケル氏に促されて、これまで何年間も避けてきた方向に一歩踏み出し、巨額のEU共通債を発行することで合意した。新型コロナウイルスによる経済危機から加盟諸国を立ち直らせるための資金を調達するためだ。今回の合意によって、EU加盟27カ国のすべてが貧しい加盟国の再建支援のための債務を負うことになる。これはメルケル氏が率いるドイツが過去10年以上尻込みしてきたことだ。