くたびれたひまわり新型コロナと豪雨災害で疲弊した日本に、この夏追い打ちをかけるかもしれない災害とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本を襲うコロナ第二波と豪雨
「泣きっ面に蜂」の異常気象はくるか

 私は経営戦略コンサルタントという仕事を通じてこれまで事業がどうしようもなく立ち行かなくなった企業をいくつも見てきました。それらの事例の中では、想定外の出来事が複数重なることで「ダメ押し」になったケースが、結構多かったと思います。

 これは感覚論ですが、人間にしても企業にしても、リスクが1つであればそれなりに対策をしているので、何とか困難を乗り切ることができるものです。ところが「泣きっ面に蜂」の状況になると心が折れてしまう、ないしは万策尽き果ててしまう。複数のリスクが重なると、対策が機能しない状況に追い込まれてしまうわけです。

 本稿では、企業ではなく私たち個人がこれから直面する可能性がある「泣きっ面に蜂のリスク」についてお話ししたいと思います。テーマは、コロナと異常気象についてです。

 今、ちょうど新型コロナ感染の第二波が日本各地で拡大しています。その同じ時期に、日本各地で豪雨災害が猛威を振るっています。身近に忍び寄ってくるコロナと違い、異常気象については、被災地にお住まいでない人にとって、ニュースから流れるどこか遠くの出来事のように感じられているかもしれません。

 当連載の以前の記事でも述べたように、確かに異常気象による豪雨災害は、特定の地域にリスクが偏る傾向があります。しかし問題は、豪雨災害は21世紀における気象災害の1つの側面でしかないということです。

 私の新刊『日本経済予言の書』の中で、これからの20年間に日本を襲う異常気象について詳しく書きましたが、豪雨ではない別の気象災害がこの夏、私たちを襲う可能性が十分にあります。豪雨リスクについては以前の記事をお読みいただくとして、「別のリスク」に不意を突かれないように、どのような災害をこの夏想定しておくべきか、地球温暖化がもたらす2020年代の新しい現実について、まとめてみたいと思います。