ハイテク投資に影響力を持つソフトバンクグループは昨年、ドイツのオンライン決済サービス会社ワイヤーカードと提携を結び、約10億ドル(約1050億円)の投資を決めた。それは、ワイヤーカードの利益の合法性をめぐる疑問の声を一時的に黙らせた。ワイヤーカードは先月、会計スキャンダルの渦中で破産を申請したが、これを受けてソフトバンクの取引にあらためて注目が集まっている。ソフトバンクはワイヤーカードにその社名と評判を貸したが、金銭的なリスクは他の投資家に受け渡した。ワイヤーカードの社債を購入した投資信託や年金基金は多額の損失を被っている。ドイツの検察当局は先週、ワイヤーカードはバランスシート上で資産規模を水増ししていたため、破産までの数年間に32億ユーロ(約4000億円)を調達できたと述べた。この資金は失われた。資金の半分近くはソフトバンクが関与した結果、調達された。