韓国の世論は
「事の重大さ」に気づくべき
韓国経済が一段と厳しい環境を迎えている。4~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率(速報値)は前期比3.3%減だった。韓国経済のGDP成長率は2四半期続けてマイナスに陥った。成長率の落ち込み幅は1998年の“アジア通貨危機”以来22年ぶりだ。GDPの4割程度を占める輸出が同16.6%減と、過去最大の落ち込みとなった影響は大きい。問題は、なかなか回復への道が見えてこないことだ。
それにもかかわらず、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は自国経済を「奇跡のように持ちこたえた」と主張した。景気後退局面で同氏が何を言いたいかがよくわからない。文氏の発言と異なり、韓国国内の経済環境は厳しさを増している。それは、文氏の支持率が9週連続で低下して44.4%をつけ、不支持率(52.2%)を下回ったことから見ても分かる。
今後、同氏は国内の不満をそらすため、わが国への強硬姿勢をこれまで以上に強めるだろう。そうした同氏の姿勢に国内からも批判の声が出始めているという。これからも文氏がわが国に対して強硬な姿勢をとり続けると、おそらく、日韓両国の関係はさらに悪化することが懸念される。それは両国の国民にとって決して好ましいことではない。文氏の過度な強硬姿勢にブレーキをかけられるのは韓国の世論だけだ。そろそろ、韓国の世論は「事の重大さ」に気が付いてほしいものだ。