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高齢親子の家庭で、亡くなった親の遺体を放置したとして、無職の子が逮捕される事例が後を絶たない。背景にあるのは、80代の親が、引きこもっていて収入のない50代の子を支え、隠れるように生活する状態となる「8050問題」。そして、そうした世帯の潜在化だ。コロナ禍によって、公的機関などとのつながりが事実上ストップし、孤立家族がますます地域の中で取り残されていくことが懸念される。(ジャーナリスト 池上正樹)

引きこもっていた58歳息子が
父の遺体を放置した理由

「元々対人恐怖の傾向がありました。母が少し前に亡くなり、しんどい状態のときでしたので、動きたくても動けませんでした」

 7月15日、東京地方裁判所の414号法廷で開かれた証人尋問。亡くなった父親の遺体をおよそ7年にわたって放置し、年金も受給していた――。詐欺容疑で逮捕された都内に住む無職の男性(58歳)は、関係各所に父親の死亡を届け出ず、遺体を放置した理由を聞かれて、そう打ち明けた。