極細のせいろ、カレーうどんを目当てに客が集まる湘南の店。カレーは専門店並に手をかけ、丸2日間かけて仕込む牛筋の煮込みなど肴も極上。白い暖簾の清々しい店構え、肩肘はらず、フランクに過ごせる店の雰囲気はビーチラインのイメージによく似合う。
ビーチラインのイメージによく似合う
すがすがしい顔をした人気の蕎麦屋
「猪口屋」は、茅ヶ崎の海岸通りから少し入ったところにある。茅ヶ崎駅の南口から2kmほどの場所で、駅からバスに乗り、「西浜高校前」のバス停から50mほどで着く。
2,3人で連れ立っていくのならタクシーで行っても楽しいかもしれない。タクシーに乗って「蕎麦屋の猪口屋まで」と言うと、「ああ、あそこですか。美味い蕎麦屋だそうですね」という声が運転手から返ってくる。まだ、開店して2年半ほどだというのに、もう名前が定着しているようだ。
白い暖簾が風にはためいて、ビーチラインのイメージそのままの清々しい顔をした店だ。亭主の畠山利明さんは、「最初から都内で開店する気はなかった」と言う。郊外で伸び伸びと商売をしたかったそうだ。
休日には多くの客が訪れるため、駐車場が用意され、店頭には席待ちの椅子が置いてある。かつて、人気蕎麦屋には「自転車の客が集まる」といわれたが、休日には何台かの自転車が横付けになる。
店の中に入ると、オープンキッチンのカフェスタイルになっていて、家族連れや会食で憩えるテーブル席も用意してある。
ネットの口コミを見ると、「猪口屋」の評価は高い。そこにまずは客は惹かれて来る。「どんな蕎麦なのだろうか」「自分好みの肴はあるだろうか」。そんなワクワクとした気持ちを抑えながら、暖簾をくぐり、玄関を開けるのは蕎麦好きの最も楽しみな瞬間のひとつと言えるだろう。