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マイナンバーカードを介した上で、キャッシュレス決済サービスで買い物などをするとポイント還元されるという、「マイナポイント」の取得が9月から始まる。テレビではCMも流れ、「早くやらないと損しますよ」とあおられているかのようだ。しかし本当にマイナポイントを利用した方が良いのだろうか?何も考えずに利用すると「罠」にハマるかもしれない。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

マイナポイントのおさらい

 マイナポイント事業とは、マイナンバーカードを使って予約・申し込みを行い、選んだキャッシュレス決済サービスでチャージや買い物をすると最大5000円分のポイントを還元するという国の政策だ。コロナ対策で決まったと誤解している人もいるようだが、これは昨年決まっており、景気対策の一環で考えられたものだ。

 まず、景気対策の第一手として2019年10月から経済産業省主導のキャッシュレス・ポイント還元事業がスタートした。ご存じの通り、消費増税後の消費の落ち込みをカバーし、同時に中小企業にキャッシュレス導入を促す目的だった。これが2020年6月末で終了となり、その後は予定どおりなら東京オリンピックで景気が盛り上がるはず…。このビッグイベントが終了した後の景気の落ち込みを警戒し、2020年9月からはマイナポイント事業がスタートするという運びだったのだ。

 さらに付け加えるなら、マイナポイントにはもう一つ目的がある。それは、いまだ17%台にとどまるマイナンバーカードの保有率を上げること(数字は7月1日現在)。そこで、カード保有者でないとマイナポイント付与の恩恵にはあずかれないことにしたのだ。6月まではキャッシュレス・ポイント還元事業は還元率が最大5%だったのに、今回は5倍の25%。管轄は総務省となり、告知のためのCMにも力を入れている。なんとも大盤振る舞いの政策だが、「マイナポイントはおトクなのか?」について考えてみたい。

家族4人で最大2万円分もらえる、というけれど

 もう少し、説明が必要だろう。マイナポイントを受け取るためには、いくつか越えなくてはならない山がある。先述した通り、まずマイナンバーカードの取得。申請から約1カ月で交付とあるが、手続きが混み合っており、入手できるまでにはそれ以上かかるのではないかといわれている。晴れてカードが手元に来たら、次はそれを使ってマイナポイントの申し込みに必要なID(マイキーID)を発行する。これにはスマホ(アプリ)やPC(ICカードリーダライタも必要)からの作業が必要だ。その後、キャッシュレス決済サービスを1つ選択してひも付けの登録をする。あとは、そのキャッシュレスサービスの利用およびチャージに応じてポイントが付与されるという流れだ。

 マイナポイントとひも付けられるキャッシュレスサービスは何でもいいわけではなく、対象になる決済手段から選ぶ。どれが利用できるかは、マイナポイントの専用サイトに登録できる決済サービスの一覧があるので、それを見てほしい。かくして9月1日以降に自分が選んだキャッシュレス決済を使う(あるいはチャージする)ことにより、25%のポイントが受け取れる。なお、「マイナポイント」というものが付与になるわけではなく、選んだ決済サービス独自のポイントが付く。