このほかに、ベスト10に入った神奈川県の海水浴場が3カ所ある。3位の由比ガ浜(鎌倉市)は、58万7700人(汚いランキング79位)。明治時代からにぎわい続けてきた由緒ある海水浴場だ。

 「私は毎日海へ這入(はい)りに出掛けた。古い燻(くす)ぶり返った藁葺(わらぶき)の間を通り抜けて磯へ下りると、この辺にこれほどの都会人種が住んでいるのかと思うほど、避暑に来た男や女で砂の上が動いていた。ある時は海の中が銭湯のように黒い頭でごちゃごちゃしている事もあった」

 明治を代表する文豪、夏目漱石が長編小説『こゝろ』の中で、由比ガ浜のにぎわいをこう描いている。

 6位の三浦海岸(三浦市)は43万1000人で、汚いランキング74位。9位の逗子(逗子市)は32万9000人で、汚いランキング106位だった。

 前回の「海水浴場開設率・都道府県ランキング」でも触れたが、神奈川県で海水浴場をオープンするには県の許可を取らなければならない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、県は5月に感染防止対策のガイドラインを示した。その内容が厳格だったため、県内全ての海水浴場が今夏の開設を断念している。

 神奈川県のほかに、ベスト10には5県が1カ所ずつ入った。順に見ていこう。

 兵庫県神戸市の須磨が64万8700人で2位(汚いランキング37位)。和歌山県白浜町の白良浜が50万4000人で5位(水がきれいな海水浴場ランキング30位)。静岡県下田市の白浜大浜が33万8000人で7位(きれいなランキング16位)。愛知県南知多町の内海が33万4300人で8位(汚いランキング134位)。京都府宮津市の天橋立が31万5000人で10位となっている(きれいなランキング350位)。

利用者3万人以上の海水浴場は
18カ所の静岡県が最多

 今回の海水浴場人気ランキングは、利用者数が3万人以上の173カ所を対象にしている。都道府県別に内訳を見ると、該当する海水浴場が最も多かったのは静岡県で、18カ所あった。

 次が新潟県と千葉県で、各15カ所だった。神奈川県は14カ所、兵庫県と和歌山県がそれぞれ7カ所となっている。青森、福井、茨城、京都、山口の5府県は6カ所で並んだ。

 最後に、前回の「海水浴場開設率・都道府県ランキング」でも指摘したが、今年は全国で4割の海水浴場が開設中止となっている(7月16日時点、海上保安庁調べ)。

 不開設でも砂浜への出入りは可能だが、遊泳区域を示すブイはなくライフセーバーもいないので、泳ぐのは非常に危険だ。この夏、海水浴には、必ず海水浴場が開設しているかどうかを確かめてから出掛けてほしい。

 また、開設している場合でも、新型コロナウイルスの感染防止の観点から“3密”を防ぐため、更衣室や売店などを設けないケースが多い。例年以上にしっかりとした準備が必要になるので、この点にもぜひ留意してほしい。

 一つの海水浴場がオープンを見合わせると、周囲で開設している海水浴場に人が集中する可能性が出てくる。周辺の開設・不開設状況を押さえれば、今回の人気ランキングは行き先候補地の混雑度合いを推測するのに役立つはずだ。活用してほしい。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

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