75年前の8月6日と9日、広島と長崎に原子爆弾が落とされたことは強い嫌悪感と哀悼の念をもって受け止められている。しかし、原爆を使用していなければはるかに悲惨な結果になっていただろう。2つの原爆投下による日本人の死者数は推計12万9000~22万6000人。米国政府による1945年7月の報告書は、日本の本土に侵攻した場合の日本人死者数を500万~1000万人と見積もっていた。米国が1945年11月1日に計画していた本土上陸作戦は、連合国軍兵士15万6000人が欧州に上陸した1944年のノルマンディー上陸作戦をはるかにしのぐ規模になるはずだった。ドイツ兵5万人に立ち向かった同作戦では連合国軍の4400人が命を落とし、死傷者数は1万人を超えた。日本への侵攻には連合国軍から76万6000人が送り込まれる予定だった。
【寄稿】原爆投下で救われた多くの命、日本人も
本土に侵攻していればはるかに多くの死傷者が出ていただろう
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