――筆者のジョン・C・ホプキンス氏は原子核物理学者で、1974~89年にロスアラモス国立研究所のエグセクティブを務めた ***  75年前の8月6日と9日、広島と長崎に原子爆弾が落とされたことは強い嫌悪感と哀悼の念をもって受け止められている。しかし、原爆を使用していなければはるかに悲惨な結果になっていただろう。2つの原爆投下による日本人の死者数は推計12万9000~22万6000人。米国政府による1945年7月の報告書は、日本の本土に侵攻した場合の日本人死者数を500万~1000万人と見積もっていた。