米国の新型コロナウイルス危機が将来、歴史として記述される際には、政府対応の最大級の失敗として語られることになるかもしれない。ウイルスの拡散を遅らせるためのより良い全米規模の検査戦略がないままに、経済や学校の再開を急いだからだ。一部の点では、米国の検査状況は成功のようにも見える。コロナ危機が始まってからほぼ6カ月が過ぎた現時点までに、米国は他のどの国よりも多くの検査を実施してきた。米疾病対策センター(CDC)の報告によれば、検査はこれまでに約6500万回行われている。しかし米国内の検査態勢は、州ごとに大きく異なり、秩序のない状態になっている。多くの場合、検査結果が伝えられるのはあまりにも遅く、何百万件もの検査がほぼ無意味になった。検査を受けた人々は、結果を待つ間、ウイルスのキャリアであっても気付かない可能性がある。こうした状況は、今夏にウイルス感染が再拡大した一因と言える。