新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でギャンブラーがスロットマシンやブラックジャックのテーブルから離れるなか、カジノ運営会社や投資家は米国でオンラインギャンブルが拡大する態勢が整ったとみている。カジノ運営会社は長らくオンラインギャンブルを警戒してきた。カジノ客の資金を吸い取りかねないとの見方からだ。だが、カジノのギャンブルがパンデミックで打撃を受ける中、運営会社はオンラインギャンブルを好機として扱い始めた。自社のオンライン事業の価値を解き放つため、大型投資やスピンオフ(分離・独立)に出ている。米カジノ会社の収入は、パンデミックによる閉鎖や再開の遅れで4-6月期(第2四半期)に97%減少した。米国ゲーミング協会のデータによると、スロットとテーブルゲームの収入はそれぞれ前年同期比80%超の減少だった。これに対し、オンラインのカジノとポーカーの収入は3倍超の約4億0300万ドル(約429億円)だった。