「部下がかわいそう」
という声の裏側…

 とある大手企業のテレワーク推進をしている担当者の話によると、「あるマネジャーにヒアリングをしたところ、『顧客からの電話に出なければならない部署はテレワークができないからかわいそうで、自分も会社に出てきている』と言うのです」と、教えてくれました。

「仕事で、かわいそうってなんなんだ?」と、正直思いました。

 なぜなら、顧客からの電話を取ることはその人の担当であって、その仕事は彼女の役割です。だから、それをかわいそうだと思うなら、かわいそうではないようにマネジャーとして調整すればよいわけです。自分が代わりに電話を取るのかというと、そうではないとのこと。でも、よくよく聞くとそのマネジャーは奥さんも同じ会社に勤めテレワークをしているので、自分は自宅で仕事がしづらい環境であることがわかったそうです。部下がかわいそうと言いながらも、自分がテレワークの環境を作りづらいということがテレワークを積極的に推進できない真の理由だったそうです。

 確かに自宅スペースの問題はありますが、たとえばサテライトオフィスを利用するとか、シェアオフィス、レンタルオフィスを活用するとか、家族で部屋のローテーションを行うなどやり方は色々あると思います。でも、「部下がかわいそう」という言い訳をして、何も解決策は打たないのは、いかがなものでしょうか?

 テレワークを導入するときに、気を付けなければならないのは、仕事のアサインを見直さなければならない場合もあることです。「どうしても在宅ができない事情がある」または「できれば在宅で仕事をしたい」などの個人の事情もあるとは思います。

 そこは、ある程度本人の事情は加味したうえで、仕事の見直しをしてもよいでしょう。それがオープンに話し合いにより実現できることは理想です。しかし、実際には本人の能力と仕事に必要なスキルとのバランスを考えると、そんなに簡単に役割を変えることはできないかもしれません。それでも、本人からも家庭の事情など聞ける範囲で聞いてあげる余裕がないと、結局は部下も不満を溜めてモチベーションの低下につながります。

 テレワークを成功に導くには、ある程度の本人の都合を周囲の人も知ってもらうことが大切なのです。

コミュニケーションは
フラットな関係を目指す

 テレワークになってから、やたらと「直接、会って話をしたい」とか、「時間をつくってほしい」と言ってくるような上司や部下、先輩や後輩も増えているのではないでしょうか?