米国の民主主義は難物だと誰が言うだろうか。アラスカの北極圏野生生物保護区(ANWR)での油井の掘削が認められるまでにかかった期間は、わずか30年だった。米内務省は17日、ほとんどが不毛の土地であるこの保護区での石油鉱区リース権入札を認めた。米議会は1980年にANWRを創設した。その際には潜在的な石油・ガス資源についての研究も委託された。そしてようやく2017年の米税制改革法(Tax Cuts and Jobs Act)の中で、共和党が支配する上下両院が連邦政府にエネルギー開発計画策定の任を与えた。環境問題を訴えるロビー団体はあらゆる掘削作業に反対した。しかし、保護区の先住民コミュニティーとアラスカ住民は、土地への悪影響や、被写体として人気の野生のカリブーなどへのリスクがほとんどない上、経済的利益を生むとして、以前から開発を支持してきた。
【社説】アラスカの油田開発、ようやく始動へ
要した年数は30年
有料会員限定
あなたにおすすめ