エレベーターや機械式駐車場はマンションには欠かせない重要な設備だが、一方でその維持管理に膨大な費用がかかるため、“金食い虫”と揶揄(やゆ)されるやっかいな存在でもある。特に機械式駐車場は、「附置義務」との兼ね合いもあり、必要がないからといって簡単に取り壊せるものでもなく、管理費や修繕積立金に重い負担をかけ続けている。そんな機械式駐車場にかかる費用を見直す一つの方法として、「リース+フルメンテナンス契約」というものがある。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)
機械式駐車場の保守には
どんな方式がある?
マンション管理の仕事というと、まずは規模の大きな大規模修繕工事に目が行きがちだが、エレベーターや機械式駐車場といった設備の維持管理も非常に重要なものといえる。
エレベーターも機械式駐車場も、まず大切なのは日々のメンテナンスだ。これらのメンテナンスには、主にフルメンテナンスとPOGという2種類の保守契約がある。
フルメンテナンス契約とは、点検、調整や部品交換など、エレベーターを正常な状態に維持することを目的とし、そのために必要なメンテナンスを保守料金の範囲内で行う方式だ。例えば、ワイヤーロープのような高額部品の取り替えも月々の保守料金内に含んでいるため、部品交換のための予算を特別に取る必要はない。ただし、保守料金はその分割高な設定になる。