機械式駐車場写真はイメージです Photo:PIXTA

かつて日本は世界有数の「クルマ社会」だったが、近年は少子高齢化の進展や交通利便性の向上といった社会情勢の変化にともない、若者を中心としたクルマ離れが進んでいる。今回は、この社会現象がマンション管理に与える影響について見ていきたい。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

ますます進むクルマ離れが
マンションの駐車場にも影響を及ぼす

 近年、若者を中心にクルマ離れが進んでいるといわれているが、実際のところはどうなのだろうか。日本の自動車保有台数の推移を見てみると、高度経済成長から現在まで、ほぼ右肩上がりで増加しているが、保有台数の増加率自体は年々縮小傾向にあるようだ。

 その要因としては、大都市圏に住む世帯の自動車保有率が低いことや、ここ数年でレンタカーやカーシェアリング市場が拡大してきたことが考えられるという。また、年齢別に見ると、やはり若者の自動車保有率が低いということが数字にも表れている。

 少子化や人口減少に加えて、高齢ドライバーによる運転免許証の自主返納が増え、クルマを手放す世帯が多くなることを考えると、今後もクルマ離れはますます進んでいくと見ていいだろう。

 実際に政府も、2008年時点の7400万台という保有台数と比較して、およそ40年後の2050年には、約15%減の6300万台になるという見通しを発表している。