ドナルド・トランプ米大統領Photo:Anadolu Agency/gettyimages

 ドナルド・トランプ米大統領は今週、再選に向け劣勢の状況で共和党の全国党大会に臨む。しかし、トランプ氏には幾つかの政治的な強みがあることが世論調査で分かっている。その一部は広く認識されていないが、これらの強みのおかげで選挙当日までに支持率の差が縮まる可能性もある。

 今月のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの世論調査によれば、トランプ氏は民主党のジョー・バイデン前副大統領に9ポイントのリードを許している。バイデン氏と比較した際のトランプ大統領の支持率は現在41%であり、今年に入って44%を上回ったことはない。トランプ氏は大半の接戦州での世論調査でもバイデン氏に後れを取っている。ただ、その差は全国レベルよりも小さい。

 党派色を排した選挙分析リポート「インサイド・エレクションズ」の編集・発行者であるネイサン・ゴンザレス氏は、「大統領が苦戦しているのは特定の1有権者グループではない。郊外で苦戦しているのに加え、農村地域での支持も弱い。個別の下院選挙区でも、2016年と同様の支持率を得ているところは1つも見つけられない」と述べている。

 しかし幾つかの点では、トランプ大統領の戦況は一対一の対決構図で見た世論調査結果よりも良好だ。

 WSJ/NBCニュースの世論調査によると、前回大統領選挙の今の時期には、トランプ氏の支持率は民主党の対立候補と比べ9ポイント低かったが、この差は今と同じだ。トランプ氏はその年の11月の選挙で、大統領を決める選挙人の獲得数で上回った。