逮捕後に知った
キムらの手口

 逮捕状が出ていることを知った前田は、弁護士とともに警察署に出頭。その場で逮捕され、留置所に勾留された。取り調べのなかで、前田は恐ろしい事実を知ることになる。

「僕はずっとただの空き巣だと思っていたんです。しかし、奴らがやっていたのは強盗でした。それも何十件と、です。金持ちの老人宅に複数人で侵入し、本人を縛り上げて、ナイフやスタンガンで脅し、カネの在りかを聞き出す。口を割らないと半殺し状態になるまでぼっこぼこにすることもあった。刑事さんからさまざまな事件の概要を知らされ、自分のしたことの重大さにはじめて気づいたんです」

 窃盗団が逮捕されると新聞、テレビで大きく報じられた。もちろん前田の名前も実名でさらされた。それを見た妻は離婚届を持って留置所にやって来ると離婚を迫り、前田もしぶしぶ承諾した。

 裁判で前田は7年、実行部隊メンバーの大半は10年以上の刑、リーダーのキムは無期懲役が確定し、現在も服役中だという。

 前田は振り返る。

「カネ欲しさに軽い気持ちで犯罪に手を染め、気づいたら本業のレストランは倒産、副業で稼いだカネも使い果たし、逮捕されたとき、所持金はほぼ0円でした。しかも働き盛りの時期を刑務所で過ごすことになってしまった。まったくバカな男です。本当に後悔しています」

 しかし、この男、転んでもタダでは起きないタイプだった。後編では、収監された刑務所での驚きの暮らしぶりを語ってもらう。

>>(後編)に続く

>>後編『「凶悪窃盗団」の元受刑者が語る、エリート囚人の驚きの刑務所生活』を読む