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さまざまな犯罪の中で、生活圏内で発生して件数も多いのが「住宅の侵入盗」と「自動車盗」。世帯数や自動車保有台数で割ってランキングを作成したところ、両方とも茨城県がワースト1という結果となった。一体、そこにはどんな理由があるのだろうか?(ノンフィクションライター 和泉虎太郎)

住宅侵入盗と自動車盗
ワーストは茨城県



 2月10日、警察庁が2019年の「犯罪統計資料」を発表した。殺人から詐欺まで、罪種別に発生や検挙状況が詳しくまとめられているが、都道府県別のデータからはその地域性が垣間見えて興味深い。今回は窃盗犯の発生状況を分析していく。



 窃盗犯にもさまざまな種類がある。犯罪統計資料では強盗、侵入強盗、侵入盗(住宅対象・その他)、自動車盗、すり、ひったくりに分類している。なかでも生活圏内で発生して件数も多いのが、住宅の侵入盗と自動車盗である。その発生(認知)件数を見ると、住宅侵入盗は埼玉県が2482件でトップで、以下、東京都、千葉県、神奈川県と首都圏が上位に並び、一方で自動車の窃盗は茨城県が1482件で断然トップで、以下、大阪府、千葉県、愛知県と続く。

 ただし、人口や自動車保有の状況と重ね合わせないと、数字の単純な比較は意味がない。そこで住宅侵入盗は世帯数当たりの認知件数を、自動車盗は保有台数当たりの認知件数を算出したのが、2つのランキングである(本稿での人口と世帯の数値は2019年3月31日現在「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」を使用している)。自動車盗発生数でワーストだった茨城県は、発生率で比較するとさらに突出ぶりが明らかになるだけでなく、住宅侵入盗もワーストとなる。

 茨城県下での窃盗の多い状況については、「住宅侵入盗 全国ワースト 犯罪率 県警 対策呼びかけ」(2019年6月23日 読売新聞)「県内上半期自動車盗696件、全国最悪 県南に集中、乗用車被害増」(2018年9月1日 茨城新聞)と報じられていることからも、地元が危機感を持っていることがうかがえる。そして、これらの報道では、自動車数が多いこと、施錠に対する意識の低さなどが原因として指摘されているが、それは多かれ少なかれ他の地域にも共通した部分があるはずで、茨城県がワーストとなる理由は明確には見えてこない。