何でも手に入る理想郷とうたわれてきた米国だが、いまだに十分な量のペーパータオルがない。
新型コロナウイルスを機にペーパータオルの取り付け騒ぎが起きてから随分たつ。だが店先にずらりと商品が並ぶことはない。小売り大手ターゲットは先週、「バウンティ」ブランドのペーパータオルを一部の店舗に少しだけ置いたが、オンライン販売に回す分は皆無だった。アマゾン・ドット・コムに出品する販売業者は、ペーパータオル1パックに44ドル95セント(約4760円)の価格を表示した。通常は15ドルで売られている商品だ。
調査会社IRIによると、米国の小売店では8月9日時点で家庭用の紙製品のうち平均21%が品切れだった。
この状況が今すぐ解消されることはなさそうだ。製造企業が新たに生産能力を増やす計画がないからだ。ペーパータオルを製造するのに必要な機械の主要部分を組み立てるのには何年もかかる。