台湾の蔡英文総統は28日、米国産牛肉と豚肉の輸入規制を緩和する方針を明らかにした。米国との自由貿易交渉における最大の障壁が取り除かれることになる。蔡氏はテレビ会見で、米国産豚肉に畜産農家が使用する飼料添加物がわずかに含まれていても輸入を許可するよう政府に指示したと語った。また、これまで生後30カ月以下としていた輸入牛肉の月齢制限を撤廃すると明らかにした。米政府はこれまで、こうした規制が台湾との貿易拡大における最大の障壁だと主張し、規制緩和を求めていた。一方、台湾は食品安全性への懸念や養豚業界からの反対を理由に緩和を拒んできた。蔡氏は、双方の立場に沿った形で今回の決定を実施に移す考えを示した。同氏はさらに、台湾の政府関係者は「この時期に米国産豚肉と牛肉の輸入拡大を進めることは、将来の戦略的発展における目標と国益全般にかなう決断だとみている」とした上で「これは台米関係の発展を可能にする決定だ」と述べた。