文章は、アメリカは一貫して中国を敵視しており、両国のウィン-ウィンを考えていないという考え方でまとめられており、ここに挙げた「反撃」も、アメリカに対して政治・経済・文化面で圧力をかけ、自国の長所と短所を見極めた上で敵の「急所」を突くというものだ。

 この文章で目立つ言葉は「敵の急所」だ。これには毛沢東の軍事思想が反映されている。毛は抗日戦争期、装備の劣る中国軍が優勢な敵に対して持久戦を戦うとし、力を集中して「敵の急所」を突いて、自軍を勝利に導こうとした。この手の強硬論は、毛沢東の考え方をベースにしている。

 また、中国は「自力更生」の国内建設を行うことができるという強硬論者の考えについは、確かに中国は巨大な市場を持っており、内需拡大のポテンシャルを有している。毛沢東時代は冷戦という時代背景もあり、世界経済との関わりは限定的だった。だが、今はグローバル化が進んでおり、世界との関わりなしでは国内建設は成り立たなくなっている。その点は毛沢東時代とは大きく違う。

反帝国主義は毛沢東の時代から
今は「アメリカ=敵」ではない

 強硬論は、国内の人々の結束を図るには効果的だ。毛沢東時代も反帝国主義で国内をまとめることができた。だが、それは偏狭なナショナリズムを煽り、両国関係の修復を難しくするという面もある。

 毛沢東時代には世界の共産主義運動が存在し、アメリカ帝国主義は現代戦争の根源と見られていた。だが今は、そのようなものは存在せず、「アメリカ帝国主義=敵」と固定化する必要はなくなっている。

 強硬論の一方で、理性的な声もある。7月26日にインターネット上に発表された、国務院発展研究センター研究員の魏加寧教授が中米関係についての考えをまとめた文章は、強硬論者が口にしそうな考え方に反論している。