吉村大阪府知事(右)と松浪大阪府議会議員 撮影:西谷月彦

大阪市を廃止して4つの特別区に再編するという「大阪都構想」の是非を問う住民投票が迫り、注目度が高まっている。東京一極集中を危機的だと訴え、副首都という大きな成長戦略を掲げる吉村知事は本音ではどう考えているのか。元衆議院議員で現大阪府議会議員の松浪ケンタ氏との対談を松浪氏の著書「大阪都構想2.0 副首都から国を変える」(祥伝社)から、抜粋して紹介する。

臨時国会を副首都で

松浪 世界にはあまり「副首都」というような概念はありません。そもそも必要ないんですね。首都は、政治・行政に特化していて、経済中心機能が別都市にある場合が多い。アメリカやオーストラリア、ドイツ、カナダなどでは経済中心都市は別にあり、中央銀行も必ずしも首都にあるわけではない。日本のようにすべてが集中しているのは異常です。だからこそ副首都構想では、その目的を、「分都(西日本の中心都市)」「重都(首都のバックアップ)」「民都(民間の力を最大限に生かす)」と定めていて、東京都の差別化を図っています。

吉村 やっぱりリスク分散が大事です。その上で、それぞれの都市が個性的に成長することだと思います。おっしゃる通りワシントンとニューヨークや、キャンベラとシドニーの例が象徴的ですね。それから僕はカザフスタンに行きましたけど、首都が中国とロシアの中間に移されていました。元の首都は中国側との国境に近かったのですが、ソ連の崩壊で独立したために、安全保障上の理由で遷都したのです。1997年のことです。そして元首都は経済都市にしていました。国家戦略として都市を移動させています。一方で日本だけは無策です。

 日本の東京一極集中は極めて危機的だと思います。そこがもし倒れたらどうするんでしょう。

 僕は弁護士として、いろいろな企業とお付き合いしてきて感じますが、倒産しない企業というのは、柱をたくさん持っている。いくら強い企業でも1本の柱だけに頼っているところは、そこが折れたら倒産します。国は倒産できないわけですから。