メール
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38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長に就任した橋下徹氏。府庁や市役所といった「組織」のリーダーとして、大胆に改革を実行してきた。彼はどのように問題を解決し、組織を動かしてきたのだろうか。橋下氏の最新刊『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』から一部を抜粋して、今回は「組織の情報共有のあり方」を紹介する。

全員に「一斉メール」で情報を伝え、
考えを浸透させる

橋下徹
橋下 徹(はしもと・とおる)
1998年、橋下綜合法律事務所を開設。2008年に38歳で大阪府知事、2011年に大阪市長に就任。大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人の組織を動かし、絶対に実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や行政組織・財政改革などを実行。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在は弁護士、タレントとして活動。 撮影:的野弘路

 僕のやった組織マネジメントの中で、特徴的なものはメールの活用です。

 業務の指示だけでなく、ニュースを読んだときの僕の意見や感想もメールに書いて送りました。「(幹部宛て)一斉メール」と呼ばれていましたが、大阪府庁の幹部全員に送っていました。副知事はもちろんですが、部長級全員に送りましたので、15名ほど、あるいはそれ以上だったと思います。

 初めてメールで指示を出したときは、「うわっ、知事からメールが来た」と、幹部がみんな知事室に集まってきました(笑)。メールの内容の確認をしに来たので、「これじゃあ、メールの意味がないじゃないか」と思いました。

 従来の大阪府知事は、お殿様みたいな存在で、知事が指示を出すときには、必ず幹部のほうから知事室に直接指示を受けに来るのが普通でした。直接面談絶対主義です。

 僕は知事になって驚いたことが、その他にもたくさんありました。知事は成立した条例や、その他の文書などに署名をするのですが、署名しようとしたらペンが見つかりませんでした。すると、前室から秘書がパッと知事室まで走ってきて、筆ペンのキャップをとって、僕に「どうぞ」と差し出しました。

 僕は、「ペンくらい自分でとれますから、来なくていいですよ」と伝えました。さらに、電話をかけようと思って、相手先の番号を前室に向けて聞いたら、また秘書が走って知事室に入ってきて、電話番号を押して受話器をとって「はい、どうぞ」と(笑)。