むろん、現在出馬を表明している議員たちは政策集的なものを示すか、基本政策的なことを口にはしているようであるが、政策論争なり、政策を軸にした議論なり批評とはなっているとは言えない。

次期総裁に求められるものは
何か

 では、次期総裁に求められるものは何であろうか?

 それは、アベノミクスが本来目指したが、いまだに達成には程遠い「デフレからの脱却」に必要な措置を矢継ぎ早に講じるとともに、脱グローバルや多極化という世界の実態を踏まえ、安倍政権が推し進めたグローバル化政策や新自由主義政策、そして対米従属深化政策を修正することである。

 具体的には、まず、デフレからの脱却のためには緊縮財政から積極財政、つまり歳出を無意味に、教条主義的に抑えるのではなく、未完成であったり中途半端であったりするインフラ、特に地方のインフラへの投資拡大や、介護、保育関係職の公務員化も含めた給与増、教員給与増を含めた初等教育から高等教育までの教育・研究開発投資の拡大、食糧の自給自足体制の強化などを含む総合的な国防・安全保障への歳出拡大、公共サービス・公的サービスへの国・地方公共団体の関与の強化に必要な歳出の拡大などである。

 本来、アベノミクスはこの部分、つまり機動的な財政政策を含むものであったが、政権発足当初を除き、消極的であった(「機動的」の意味とは積極的ということではなく、積極的と見せつつ消極的になる、積極財政に見せつつ緊縮を進めるという意味だったということか)。

 安倍政権の継承者、アベノミクスの継承を一つの柱に据えるのであれば、積極財政という意味における機動的な財政政策を今度こそ実行すべきであると考えるが、総裁選各候補の考え・政策はどうだろうか?

 少なくとも今回の新型コロナショックを受けた補正予算では、事業規模に対して真水、つまり国の財政支出が少なすぎるとの批判もあったが、第2次補正において10兆円の予備費を積むにまで至ったことは、積極財政に端緒を開いたものとして評価できよう。

 新型コロナショックへの対応がまだまだ続くことを鑑みれば、この路線の継続は当然のことであり、そのままデフレからの脱却まで突き進む、まさに「この道を真っ直ぐ」進んでしかるべきであろうが、安倍政権やアベノミクスの継承を言いながら、こうした内容を含まないのであれば、要は口だけということになるが。