「成功する人は、普段からどのようなことを考え、どのような行動をとっているのだろう?」
そのような疑問を心に浮かべたことがある人は、多いのではないでしょうか。
『成功者がしている100の習慣』はまさにそのような疑問に答える一冊です。リーダーシップ・コーチングやメンタリングの分野で国際的に活躍し、香港・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイなどでの豊富な海外経験を持つイギリス人の著者ナイジェル・カンバーランドが、長年のコーチングや人間観察の経験から導き出した成功者に共通する100個の習慣を、わかりやすく、実践しやすい形で読者に紹介します。
著者は、成功を仕事や経済的豊かさといった尺度のみでとらえているのではありません。家族や大切な人たちと愛情豊かで良好な関係を築き、他人に親切にし、心身の健康を維持して充実した人生を送ることを真の成功とみなすべきだと主張しています。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣のエッセンスの中から特別に抜粋し、関連する古今東西の名言も織り交ぜながら簡潔に紹介し、成功しない人が陥りやすい思考・行動のパターンも指摘します。この習慣を私たちが生活に取り入れていくための具体的な実践方法のヒントもご紹介していきます。
成功者の習慣4「心の知能指数(EQ)を高く保っている」
成功する人は相手の立場で物事を考え、成功しない人は自分の立場で物事を考える
チャールズ・R・スウィンドル(アメリカの牧師)
何も考えずに暴言を吐く、すぐにカッとなって頭に血が上る、嫉妬心から誰かを傷つけるような態度をとる――感情のコントロールができない人は、せっかくの成功のチャンスを逃してしまいます。ちょっとした感情の狂いが、人生の勝者になるか敗者になるかの分かれ目になります。
心の知能指数(EQ)の低さを示す例は、私たちの身近にあります。電車やバスの中で言い争いをしている人、人目を気にせず子どもをキツく叱りつける親、汚い言葉で上司を罵りながら辞表を叩きつける従業員。
高いEQは、バランスのとれた、充実した人生を送るために不可欠です。それは恋愛や家庭、職場での人間関係を良好に保つために欠かせません。たった一度、感情を抑えきれなかったことで、仕事や結婚を台無しにすることは十分にありえます。
厨房でスタッフに怒鳴り散らすことで有名な毒舌シェフ、ゴードン・ラムゼイのようになりたい人はいないでしょう。でも、実際に他人を悲しませたり、傷つけたり、恐れさせたりしないようにするのは簡単ではありません。怒りを感じたときは、感情に任せて衝動的な言動をとらないように、コントロールする術を学ばなければなりません。感情を爆発させて周りに迷惑をかけてしまえば、そのことを申し訳なく思いながら生きていくことになってしまいます。
EQや共感が高い人は、他人の立場で物事を考えます。感情に流されないので、問題に冷静に対処できます。それは周りの人を幸せにし、成功を引き寄せる態度であり、生き方なのです。
格言
高いEQは、バランスのとれた、
充実した人生を送るために不可欠である
EQ is an essential ingredient of a balanced and fulfilled life.