コロナ危機にリーダーをやるべき人、やってはいけない人の決定的な違い
不確実性に満ちた今、リーダーをやるべき人はどんな人か? Photo:PIXTA

 コロナ危機はこれから経済の領域に本格的に波及してくる。金融危機に限定されていたリーマン・ショックをはるかに超える難局にわれわれは直面することになるだろう。一部活況の産業を除く、多くの経営者、多くの経営幹部は、改めて、この難局に立ち向かう覚悟を持たねばならない。

未曽有の不確実性を乗り切る
リーダー像のヒントは戦争論に

 ワクチン開発という光明は見えてきたものの、残念ながらこの難局はまだまだ続く。これまでも相当つらかったが、先の見えないつらい日々がまだ続くのである。肉体的、精神的な負担が非常に大きくなることを心しておかなければならない。

 さらにこれからの難局は、技術変化(IoTやAIなど)や社会意識(地球環境問題など)の変革が相互に関係して、なにもかもが不確実性に満ちている。そこに、偶然の出来事(ほかの感染症や自然災害など)が追い打ちをかけることもある。わからないこと、想定できないことがこんなに大きい状況はかつてなかったし、これからもあまりないだろう。何が何だか、自分がどこに向かっていて、何をしているのかでさえ分からなくなる可能性すらある。

 それでもリーダーは、予想外の事態が頻発するこの状況を把握しなくてはならない。そして、状況を正しく把握できていないにもかかわらず、意思決定をしなくてはならない。過去の歴史的事実を丹念に調べ、周囲をくまなく見回して、比較検討し、熟慮する時間的余裕がないのである。そして必死の思いで下した意思決定ですら、事態の更新があり無効化される。精神の休まることなどない。いつ終わるともしれない地獄のような状況が続くのが、これからの1、2年であろう。

 では、このように不確実性に満ちた状況にどのように対応すればよいのだろうか。

 人間がこれまで経験した不確実性の最たるものは戦争である。18世紀末から19世紀前半に生きて、当時のナポレオン戦争などにも参加したクラウゼヴィッツは、『戦争論』を著し、現代にも通用する卓見を示した。ここからこの難局を乗り切るリーダーについてヒントを得たいと思う。クラウゼヴィッツによれば、不確実性に満ちた状況下で必要な要件は知性(冷静)と勇気(情熱)ということである。詳しく見ていこう。