自動車 “最強産業”の死闘#12Photo:NurPhoto/gettyimages, 123RF

自動車各社の2025年4~6月期決算が8月7日までに出そろった。トヨタ自動車は純利益が前期比37%減の8413億円、ホンダは二輪事業がけん引したことにより全社で最終黒字を確保したものの、四輪事業は赤字に転落した。特集『自動車 “最強産業”の死闘』の#12では、トランプ関税の逆風下で相次ぐ、ハイブリッド車の戦略見直しと課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

日産とマツダが最終赤字転落
4~6月の関税影響は7社で合計7830億円

 減益ラッシュの決算となった。

 大手自動車メーカー7社(トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、スズキ、マツダ、SUBARU、三菱自動車)の2025年4~6月期決算が8月7日までに出そろった。7社合計でトランプ関税影響による減益影響額は7830億円に及んだ。経営再建中の日産と、米国販売比率が3割強のマツダが最終赤字に転落し、それぞれ1158億円、421億円の純損失となった。

 トヨタは、売上高が前年同期比4%増の12兆2533億円だったものの、円高やトランプ関税の影響で、営業利益は同11%減の1兆1661億円、純利益は同37%減の8413億円だった。

 ホンダは、売上高が同1%減の5兆3402億円、営業利益は同50%減の2441億円、純利益は同50%減の1966億円に沈んだ。二輪事業の営業利益が1890億円と過去最高だったものの、四輪事業は296億円の営業赤字に転落した。あるホンダ幹部は、「二輪は当面はもうかるが、四輪がこういう状況。二輪にも電動化の流れがあることを踏まえれば、四輪と同じ状況になる可能性は否定できない」と危機感を語る。

 今回の決算では、「ハイブリッド車(HV)戦略」も焦点となった。電気自動車(EV)の普及が減速したことで、HV戦略を見直す企業が相次いでいるからだ。

 次ページ以降では、自動車メーカー役員への取材や決算会見での発言を基に、HV戦略の行く末と課題を明らかにする。