単純な計算によるこんな数字は笑えない冗談にしかならないが、私が述べたいのは、残念ながら今のこの状況が常態化する可能性は極めて高いだろうということだ。

 緊急事態宣言が発出されて、移動や外出に強い自粛要請が行われた期間、さまざまなことで窮屈な思いをし、私自身、早く元通りにならないかと思い、周囲の人たちともオンライン会議やSNSを通じてそのような会話をしてきた。

 しかし、ウイズコロナが長期化し常態化するのであれば、グローバルレベルでビジネスを含む物事を考えた場合、「完全に元通りになる日」はそうそうすぐには来ないと覚悟した方がよさそうだ。

9月入学の議論は
どうなってしまったのか

 少々話が変わるが、ステイホームで過ごさざるを得ないゴールデンウィークのころ、学校の9月入学にまつわる議論が一時的に高まったことをご記憶の方も多いと思う。

 私自身は当時、人命を守り医療崩壊を防ぐことや経済の再活性化の議論と同じ熱量で9月入学について政治家やマスコミの議論が沸騰することに違和感を持っていた。もちろん、重要な議論なのであれば、さまざまな角度から検討し、実施するならばその事については大賛成である。

 しかしながら結局、政府の検討では、9月入学については時期尚早ということで今年度もしくは来年度からの実施は見送られた。

 私が疑問に思うのは、それでその後9月入学の議論はどうなってしまったのか、という点である。

 試しに文部科学省のホームページを見てみると、8月4日付けで「秋季入学に関する検討について」という資料があり、昭和60年ごろからの検討の経緯と洗い出された課題の整理が行われた資料はあるものの、他には特段議論の進捗を開示している資料は見当たらなかった。

 内部での検討は行われているのかもしれないが、これを見る限り、9月入学は過去30年にも渡り議論の俎(そ)上にのりつつ放置されてきた課題であり、今回もあれだけ騒ぎ立てながら、元通りはおろか、なかったことになってしまっているかのような印象さえ受けてしまう。