新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
うまく「フィードバック」するには?
子どもの勉強やお手伝いなどをほめることは、「やればできる」という気持ちを育むためにはとても大切です。
ですが、現実にはほめてばかりというわけにはいかず、改善してほしいこともあれこれと出てきます。
ではどうやったら改善すべき点を効果的に伝えることができるのでしょう。カギとなるのは「フィードバック」です。フィードバックとは、どんな行動をしてどんな結果がもたらされたのかを具体的に伝え、ふりかえってもらうアドバイスです。
上手にフィードバックをするにはどうすればよいでしょうか?
【その1】「ほめる→要改善点→ほめる」のサンドイッチにする
フィードバックの手法で、PNP(ポジティブ・ネガティブ・ポジティブ)法というものがあります。これは、ポジティブなフィードバックのあいだにネガティブなフィードバックをはさむので、サンドイッチ法ともいわれています。
最初は「ほめること」から始めます。具体的にどこがよかったかをほめます。その次に、「改善できそうなこと」を伝えます。ここがとても大切な部分です。そしてふたたび、最初に挙げた「ほめポイント」をくりかえす、場合によってはそこに新しいほめポイントを加えて、気持ちよく締めくくります。
【その2】「How」と「What」を明確にする
いうまでもなく、このフィードバックで大切なのは、サンドイッチの「具」の部分。つまり「子どもがこれから改善できそうなこと」です。ポイントは、どんな方法で(How)、何をすればいいか(What)を具体的にわからせてあげること。
一方的に押しつけるのではなく、問いかけながら、子どもが自分なりの結論を導き出せるまでつきあいます。
【その3】「でも」より「だから」を使う
フィードバックは、子どもの成長のチャンスです。まわりの言葉の使い方ひとつで子どもの行動は変わります。
フィードバックをする際、「でも」「だけど」といった逆接の接続詞を使うと、子どものやる気をくじいてしまいます。
フィードバックをするときは、意識的に「だから」や「……ならどうかな」といった表現を使うようにすると、子どもは前向きに受け止めることができ、モチベーションが高まります。
【その4】フォローも忘れずに
フィードバックしっぱなしではなく、少しでも改善が見られればすぐにほめるようにします。
(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)
ガイ・ウィンチ『NYの人気セラピストが教える不満を上手に伝える方法』(花塚恵訳、かんき出版)
バーナード・ロス『スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣』(庭田よう子訳、講談社)