「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「この道を選んだ理由」を言葉にできるか?
キャリアで“安定”を重視することは決して間違いではない。“挑戦する人生”に憧れを持つこともあるだろう。それももちろん、間違ってはいない。
けれど――最悪の答えは、“その道を続ける理由”が自分の中にないまま走り続けることだ。そうすると、いつか足が止まる瞬間がやってくる。
朝の電車、窓に映る自分と目が合った瞬間。飲み会のあと、ひとりになった帰り道。そんな時にふとよぎる「なぜこの道を選んだのか?」という問いに、自分の言葉で答えられなくなったとき――自分の手でもう一度、人生を始め直さねばならないのだ。
そんな、簡単に答えの出ない問に向き合いながら、明日の朝に向けて、今日もきちんと、早く眠りにつこうとする――そんな優秀さを抱えているのが、ハイスペックキャリア迷子のその1、「モラトリアム型」だ。
人生を「保険」ではなく「物語」に
しかし、積み重ねた道のすべてが、無意味なわけではない。けれど「やめられないから続けている」状態のままでは、キャリアは、惰性で続くものへと変わっていく。人生に保険をかけ続けてばかりでは、あなたの“物語“の始まりを阻害してしまう。
――これは、自分が選びたかった人生なのか?
そう問い直す瞬間こそが、あなたの内側で、新たな物語の始点となる。
スペックは揃(そろ)っている。履歴書に、非の打ちどころはない。けれど――どこかに、言葉にしがたい空虚さがある。この感覚に気づけたなら、あなたの人生の地図は、いつでも書き換えられる。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)