「感じのいい人になれるか」は、毎日のメールで決まる。「相手に間違ったニュアンスで伝わってしまう」「文面がこわいと言われるが、原因がわからない」「メールの返信に時間がかかりすぎて、1日が終わってしまう」。メール仕事には、意外と悩みがつきものです。本連載では、中川路亜紀著『新版 気のきいた短いメールが書ける本』(ダイヤモンド社)から編集・抜粋し、迷いがちなメールの悩みを解決するヒントをお届けします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「お詫びのメール」は、失礼を重ねないよう細心の注意が必要なやりとり。感じのいい人は、丁寧に気持ちを伝えるだけでなく、謝るときこそ“言葉の選び方”に気を配っています。今回は、そんな人が「謝罪の場面」で決してしないことと、上品に伝えるフレーズをご紹介します。
友だちモードで連絡しない
-----------------------
× 昨夜のことは謝りたいと思います。
○ 昨夜の失礼をお詫びいたします。
-----------------------
「謝りたい」というのは友だちや部下などに言うのならOKですが、外部の仕事関係者に対してはカジュアルすぎます。
自分が言った失礼な言葉は復唱しない
あとから「しまった!」と思うことはよくあることです。こういう場合、相手の不快感を呼び戻さないためにも、その場で自分が言ってしまった言葉などは改めて書かないほうがよいでしょう。例えば以下のメールのように、お詫びの気持ちを伝えます。
-----------------------
○○社の田中です。
昨日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
その席で、林様が以前、
△△研究所に所属されていたことを存じ上げず、
たいへん失礼なことを申し上げてしまいました。
なんともお恥ずかしい限りです。
心よりお詫び申し上げます。
これにこりず、今後ともご指導ご鞭撻を
いただきますよう、お願い申し上げます。
-----------------------
「謝罪」の気持ちを伝える上品なフレーズは?
・昨日はとんでもない失礼をしてしまい、心よりお詫び申し上げます。
→「とんだ失態をいたしまして」という表現もよくつかわれる。
・昨日の会議では、私の不用意な発言のために、みなさまを不快にさせてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。
→「不用意な」とは、考えが足りない、配慮が足りない、うっかりしたというような意味。
・昨日の会議では、思わず言葉が走ってしまい、申し訳ありませんでした。
→熱い議論になり、言いすぎてしまったとき。
・先輩に恥をかかせてしまい、申し訳なさでいっぱいです。
→先輩と出かけた仕事先で失敗してしまったとき。
・私の言葉が足りず、鈴木さんにご不快な思いをさせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
→メールで相手を怒らせてしまったときなど。
・すべては自分の未熟さが引き起こしたことと深く反省しております。
→謝罪会見では「不徳のいたすところ」という言葉がよくつかわれていますが、一般人がつかって誠意が伝わるかどうかはケース・バイ・ケースです。
・自分の浅はかさに恥じ入っております。
・このたびの数々の失礼につきまして、慎んでお詫び申し上げます。
・このたびはお詫びの言葉もございません。どうかご容赦ください。
→「どうかお許しください」とも言う。
-----------------------
※本記事は『新版 気のきいた短いメールが書ける本』を一部抜粋・編集したものです。