経営には「基本の型」がある

 こうした基本行動を実践し、そして結果(社会的と経済的の双方)を出し続けているグローバル企業を、私は「ワールドクラス」と呼んでいます。

 日本企業の皆さんに、本連載でお伝えしたいのは、「本気でグローバル経営に挑むために、まずは『ワールドクラスの経営の型』を正しく理解する」ことです。

 何事も、認知・認識から始まります。正しく理解ができないのなら、せっかくのベンチマークも無意味になりますし、その実装も中途半端になることでしょう。

 ワールドクラスの経営は、とても洗練されているように見えます。もちろんその通りなのですが、初めからそうだったかというと、違います。変化する環境に適応するための試行錯誤を重ねながらいまの姿に至っているのです。

 そしてそこには、共通する経営の型が見られます。数年前、先述の早稲田大学・入山教授とご一緒させていただいた某雑誌での鼎談企画でも取り上げましたが、同じワールドクラスでも、かつては欧州系と米系では組織体制などに違いが見られましたが、近年は収斂、近似しています。産業や企業ごとに特徴はあるものの、型のレベルでは共通しています。多様な知を取り入れて世界規模で事業を展開していく以上はこうならざるをえないという、いわば必然の型です。

 「ワールドクラスの経営」の随所に見られる基本行動は、一見、できて当たり前のようですが、「できそうでできない」ものばかりです。それらと日本企業のグローバル経営の「常識」は何がどう違うのかについて、を順次、説明していきます。1つ1つの違いが大きいわけではありませんが、総体(システム)としての様相はかなり異なります。

 今回は、「組織設計の思想の違い」を図解してみました。

 下の図は、ワールドクラスと日本企業の違いを最も明確に示しています。

 両者の決定的な違いは何でしょうか?

 その答えは、第2回で説明します。(続)