ドイツのフランクフルト証券取引所Photo:Thomas Lohnes/gettyimages

 長期的にリスクを減らす投資戦略は、このところ短期的なリスクを高めている。

 市場より変動幅が小さい銘柄で運用する株式ファンドは、悪い時には持ちこたえ、良い時にも順調に推移するとされている。だが2020年のパフォーマンスはその逆だった。一部のファンドは2月~3月の急落時に市場と同等以上の損失を出し、それに続く50%超の反発局面では大きく出遅れた。

 低リスクファンドは古い教訓を改めて浮き彫りにした。すなわち、過去のリターンはゆがんだ実像を映すことが多く、厳格なルールは意図せぬ結果をもたらし、市場は自ら解決策を見いだしたと考える人々を笑いものにすることを好むのだ。

 ファクトセットによると、上場投資信託(ETF)は2017年から2019年にかけて365億ドル(約3兆8500億円)の資金を集め、昨年だけで223億ドルが流入した。その筆頭が、舌をかみそうな名前の「iシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティー・ファクターETF」(運用資産346億ドル)と、「インベスコS&P 500低ボラティリティーETF」(同88億ドル)だ。

 だが過去1年間に、ファクトセットがデータを集めたETF19銘柄のうち7銘柄が下落局面で指標より大きく変動。また、そのほぼ全てが市場平均の85%程度の変動を記録した。