「積立投資で老後資金は大丈夫」とタカをくくった40代会社員の大誤算積立投資を“過信”している人が少なくありません Photo:PIXTA

iDeCoやNISA、積立投資で
老後資金はすべて賄えるのか?

 最近、家計相談に来られる方の中にも、iDeCoやつみたてNISAなどに取り組んでいる人が増えてきたと感じます。先日、テレビニュースでも放送されていましたが、「投資はギャンブルから学びへ」と捉える傾向にあるようです。

 このこと自体はとても良いことだと思うのですが、中にははじめに得た情報のみを信じ、それを継続していれば将来、つまりは老後資金の必要額は十分だと信じ切っている人も意外といらっしゃいます。まずは将来の必要額を考えてみて、その上で今のまま積み立てを続けるだけで安心なのかどうかを確認しておいてはいかがでしょうか。

 確かに将来の資金を作るのに、iDeCoやつみたてNISAといった積立投資が有効なことは間違いありません。ただそれだけで、自分が準備したい金額が出来上がるのかというと、そうではない場合があるのです。どれだけ良いといわれている制度であっても、積立額には上限がありますから、その上限額をコツコツ積み立てたとしても、自分が準備したい金額に届かないということが当たり前にあるのです。

 また、投資の前に目を向けておかなければいけない「支出」から目をそむけ、投資に走る人もいます。支出の見直しや生活防衛資金の準備を先送りにして投資をしても、それは生活を苦しめる原因にしかならないこともあります。