税制改正大綱で
個人の資産形成はどう変わる?

分散投資のイメージ
「長期・積立・分散」投資さえしておけば安泰というのは、乱暴な思い込みである Photo:PIXTA

 先日、与党による税制改正大綱が発表になった。これを受けて来年に法案が成立すれば、新しい税制が決まる。今回は一言で言えば、投資への資金の流れを促進するような改正案が多く織り込まれている。

 企業が保有している資金を単にため込むのではなく、新たな技術革新などへの投資に回すよう促したり、先端技術である5Gへの投資促進を図ったり、といった企業の投資行動の促進だけではなく、個人の資産形成についてもiDeCoやNISAについての制度改正がいくつか盛り込まれていた。

 iDeCoについては、加入期間の延長や加入範囲の拡大がその主な内容であるため、特に大きな異論は出ていない。しかしながらNISAに関しては、税制改正大綱の発表以降、さまざまな意見が噴出している。その多くは「複雑になった」「わかりにくい」「妥協の産物」といった具合に、比較的ネガティブなものも多い。そこで今回の制度変更について、その内容と考え方、そして個人投資家がどのように対応すればいいのかについて考えてみたい。

 今回のNISAの改正ポイントは、大きくわけると次の3点である。

(1)現行のつみたてNISAの非課税措置の設定期間を5年延長する
(2)現行の一般NISAの終了に合わせて新たなNISA制度を創設する
(3)現行のジュニアNISAは廃止する

 現在、NISAといわれているものは「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類であるから、それぞれについて改正されることになる。

 まずはシンプルなところは「(3)ジュニアNISAの廃止」である。これは、親や祖父母が未成年の子や孫のために、年間80万円まで非課税で投資ができる制度だが、2019年の6月時点で利用者数は約33万口座しかない。このため、投資期限を迎える2023年末で制度を終了するというものだ。これは残念ではあるが、十分に制度の周知とニーズが広がらなかったことを考えるとやむを得ないだろう。

 次につみたてNISAである。こちらは2037年までの期限を2042年まで5年間延長することとなった。これによって2023年までに始めれば、20年間の投資期間が確保できる。こちらも制度の恒久化はかなわなかったものの、期限の延長であるから良いことだろう。問題は「(2)現行の一般NISAの終了に合わせて新たなNISA制度を創設する」、という部分である。今回の制度改正に関して批判が集中しているのは、この部分と言ってもいい。具体的には一体どんな仕組みになるのか。