累計38万部超のベストセラー餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの著者・林 總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』が9月29日にダイヤモンド社から発売になります。本連載では、同書の中から抜粋して決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えしていきます。登場人物は、林教授と生徒の川村カノンの2人。知識ゼロから始めて、いかにして決算書を読み解くスキルを身につけていくのか? 川村カノンになったつもりで、本連載にお付き合いください。

1997年にオープンした東京国際フォーラムの資産1600億円は、当時の都庁の帳簿には載っていなかった!Photo by Adobe Stock

古代ローマ人は
家庭に「会計の習慣」を持ち込んでいた

カノン 先生、さっきおっしゃった実学ってどういうことですか?

林教授 理論よりも、実用に重きを置く学問ということだよ。

カノン そうなんですね。

林教授 ものの本によると、古代ローマ人は家庭に会計の習慣を持ち込んでいたそうだ。

カノン そんな昔から家計簿を作っていたのですか。

林教授 有史以来、会計は家庭、そして企業、国家の運営になくてはならないツールだった。その歴史の中で最も重要な出来事は複式簿記3の発明だ。

カノン 誰が発明したのですか?

林教授 14世紀のヴェネチアの商人たちだ。