「フェード」で相手の注意を惹きつける

ここでは「フェード」の設定方法を説明します。

まず、「フェード」の活用イメージを共有しましょう。下図をご覧ください。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方

上手の⑦のすべてのテキストが表示されたスライドを、いきなり見せてしまうと、相手は、これからのトークの内容を把握できてしまうため、興味を薄れさせてしまいます。

そこで、①の画像だけのスライドを示したうえで、テキストを1つずつ見せながらトークを展開すれば、「次は何だろう?」と相手の興味を惹きつけ続けることができるわけです。

「フェード」を設定する方法は簡単です。

【手順1】3つのテキストボックスを[Ctrl+左クリック]で選択

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方3つのテキストボックスを[Ctrl+左クリック]で選択する。

【手順2】「アニメーション>フェード]を選択。「アニメーションウィンドウ」を開く。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方[1 アニメーション>2 フェード]を選択。3「フェード」が設定される。[4 アニメーションウィンドウ]をクリックして、作業ウィンドウを開く。

【手順2】で「フェード」を設定すると、3つのテキストボックスが同時に作動する設定になりますので、【手順3】以降で「開始」の設定を変更します。「開始」とは、何をきっかけにアニメーションを作動させるかを設定するものですが、私は、基本的にすべてクリックしたときに作動する「クリック時」にしています。本来は、3つまとめて「クリック時」にすればいいのですが、ここでは、機能説明のためにあえて1つずつ設定します。

【手順3】「アニメーションウィンドウ」の1番上の「長時間労働」を選択。「開始」が「クリック時」になっていることを確認。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方[1 アニメーションウィンドウ>2 長時間労働]を選択。[3 開始]が「クリック時」に設定されていることを確認する。

【手順4】2番目の「サービス残業」を[開始>クリック時]に変更する。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方[1 アニメーションウィンドウ>2 サービス残業]を選択。[3 開始]が「直前の動作と同時」なので、2を右クリックして[4 クリック時]に変更。

【手順5】3番目の「帰りづらさ」も同じ手順で変更する。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方[1 アニメーションウィンドウ>2 帰りづらさ]を選択。[3開始]が「直前の動作と同時」なので、2を右クリックして[4 クリック時]に変更。

最後に、【手順6】で「継続時間」を設定します。

これは、アニメーションが動き始めてから止まるまでの時間のことですが、私は基本的に、すべて「0.75~1秒」に設定しています。

【手順6】「アニメーションウィンドウ」の3つのテキストボックスを、[Ctrl+左クリック]で選択。[継続時間>0.75~1秒]に設定する。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方

以上で、「フェード」の設定は完了です。非常にシンプルで使い勝手のよいアニメーションですから、ぜひ、上手に使いこなしてください。

【パワーポイント仕事術】プロ級のスライドをつくる超簡単な「アニメーション」の使い方
前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
2016年株式会社固を設立。ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業者、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。プレゼンテーション協会代表理事、サイバー大学客員講師、情報経営イノベーション専門職大学 客員教授なども務める。