集中してパソコン作業をする男性写真はイメージです Photo:PIXTA

集中力は生まれ持った才能で決まるものではなく、日々の小さな習慣で鍛えることができる。心理学や脳科学の研究結果をもとに、仕事や勉強にすぐ取り入れられる実践的な方法を解説する。※本稿は、サイエンスライターの鈴木 祐『人生を変える科学的な集中術』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

酒好き477人の調査でわかった
集中力が高い人の共通点

 集中力を高める儀式のタネとして導入してほしいのが、「小さな不快」の要素です。

「小さな不快」とは、あなたの体と心に軽い負荷を与えるようなものごとを指し、具体的には次のような行為が挙げられます。

・好きなお酒をちょっとだけ我慢する

・利き手ではないほうの手でマウスを操作する

・背中が曲がっていることに気づいたら背筋を伸ばす

「そんなことで集中力が上がるわけがない」と思った方も多いでしょうが、それは大間違い。実はここに挙げた事例はすべて、正式な実験で集中力アップの効果が確認されたものばかりです(注1)。

 代表的な例として、酒と集中力に関するリサーチを紹介しましょう(注2)。

 これは477人の男女を対象にした研究で、スキンパッチテストで全員のアルコール代謝のレベルを調べたあと、全体を2つのグループに分けました。

(1) アルコールに強くて酒が好きな人

(2) アルコールに弱いが酒が好きな人

(注1)Mark Muraven, Roy F. Baumeister, and Dianne M. Tice (1999) Longitudinal Improvement of Self-Regulation Through Practice: Building Self-Control Strength Through Repeated Exercise

(注2)Jianxin Wang, Yulei Rao, and Daniel E. Houser (2016) An Experimental Analysis of Acquired Impulse Control Among Adult Humans Intolerant to Alcohol